ガイドはつらいよ(ジプシーの子供達) (2)

Postino(Romaからの便り)
2020年7月 4日土曜日

皆さんは、イタリアで ジプシーの子供達が スリをしたりするのを、旅行する前から 、耳にタコが出来る位、聞かされた事でしょう。もう 聞くのもイヤ、という感じで、タコをくっつけたまま やって来たりしますが、それでも 取られる人は、取られてしまうのが 現状です。相手は ガキだろ、と思っている人ほど 危ない。ガキは、スリをする為に、何万回と 同じ動作を 練習させられて いるわけですから、勝てっこない。万が一 勝てそうだったら、あなたがスリをしても いいんじゃないかと 、私はお客様達に 言ったりしましす。

私が ある日、グループの人達と 一緒に、十字路で 青信号になるのを 待っていました。
私達が立っていると、 すごく太った大柄の、足元までの 長いスカートを着た ジプシーのおばさんが 、グループを かき分けて、最前列に やってきました。小さな 男の子の手を、ひいています。

危ないなぁ….と 思った瞬間、
最前列にいた グループのうちの、1人の中年の男性が、あ、財布がない !と叫びました!. エーッ !!! と 皆も叫び、私はとっさに、そのジプシーのおばさんに、財布を返せ !! と 怒鳴った 。盗む所は見なかったが、これだけのお膳立てがそろっている以上は、どなるに 越した事はない。そうすると、このオバハンは 電光石火の 早業で 、何かを 地面に叩きつけ、ホラ 財布が落ちているじゃないか、という感じで 財布を 指差しました !!! たぶん男の子が 財布を抜き取った後に、オバハンに 渡したに違いない….

ある夏の暑い盛りに、私は Repubblica レプッブリカ(共和国)広場を一人で歩いていました。お昼頃で 誰もいない、暑い ! 半袖で、脇の下に
はさむようにして 持っているショルダーバッグも 心持ち、重く感じられる。と…. 腕に ピチャ 、ピチャっと 何か 濡れたようなものがくっついては 離れる、なんだろう、気持ち悪い、と 見てみたら、なんと ジプシーの 小さな 男の子が 腕を精一杯に伸ばして、私のバッグに 手を 入れようとするが、いかんせん小さいものだから、手がバッグの下にもさわらず、空(クウ)を きっていた、その手が 私の腕に 当たっていたようです !!

ジプシーは、もともと インド人が トルコの方に 流れていき、それから 1500年代に、バルカン半島に 流れ 住み着いていったと 言われています。正式名は、ROMロムと いい、現在 全世界にわたって、約1200万人~ 2200万人 いると いう あまりはっきりしない数字があり、イタリアには、約18万人位いると 推定されていますが、明確な人数を わざと 記録させないのは、ユダヤ人のように 排斥されるのを 恐れているからだとも 言われています。1971年に、ロンドンで 彼らは国際大会を開き、領土は いらないが、民族的、文化的、言語的に ロムを認めて欲しいという 嘆願書を、国連に 提出しました。

嘆願書を出す前に、まず 身元を きれいにする、スリをしない、とかが 必要では ないのかしら と 思うが、もしかしたら 嘆願書が 受理されると、国連から 補助金をもらえて 、子供がスリをしなくてもよくなるのか…..素人の私には 分かりません…..

ジプシーの子供達が来たな、と分かったら、大声で Noーッ !!! とか 、馬鹿 !とか クソッタレ 、ドアホー 、オンどれはー! とか ギャーッでも いいわね、思い切り叫ぶんです、ガキを 驚かせないと いけない。相手が 意味がわからなくても、叫ぶだけでいいの。
ただ、 いきなり声を出せと言われても、とっさには 出ない、声が出ない !
とっさの時ほど、かすれ声しか 出ない ! だから 日頃から 歩く時、何でもいいから しゃべりながら歩いて、声が なめらかに 、いつでも 出せるように、心がけて下さい。例えば コロッセオを 見たら、声に出して、すごいなぁ、昔の人は どうやって、石を 積んだんだろう、とか 独り言でいいから しゃべり続ける。間違っても ホテルを出てから 帰ってくるまでの間、数語しか 声を出さなかったという事のないように して下さい。
そういう意味からいくと、相手は誰でも なめてかかることが 必要です。ホテルのフロントの人に、”恐れ多くも….”みたいな感じで、水が出ませんが、と言いに行かない、隣のおじさんに文句を言わなきゃ、みたいな感じで、水が出ないぞ、と言う。ただ 横柄に なっては いけない、そこの所が しっかり余裕をもって出来るようになると、国際人です。

ただ 皆さんは、だれが ジプシーの子供か、なんて 分からないでしょうから
( ジプシーの お姉さんや 叔母さんもいる、お父さんは 別のことを しているみたいで 現れない。やるとすれば 単独でやるんでしょう) いつでも バッグは 前にして、気をつけて下さい。そんなのイヤだ と 思う人は、旅行しないで、自分の家で 安全に 暮らすしか ないでしょう ?