🐸🐪Postino さんより🐢
病院物語
Postino “Roma からの便り”
2020年11月14日土曜日
Rocca di Papaロッカ・ディ・パーパ
Romaより36km南東へ下る。Albanoアルバーノ湖周辺にある市。
Bottiボッティ氏、83才で年金者。4年前にTor Vergataトル・ベルガータ病院 (。。。 Italia の医療システムは州に任されており、国民には州立病院で手術する限りにおいては 保険がきくので、経済的負担も私立に比べると減る。。。 ) で肺がんと診断され手術をしたのだが、大変難しく肺の一部を除去する結果になった。長い療養生活が続いた。
そして今、血の固まりを取り去るために、再び手術が必要になった。でもその手術をしたTor Vergata病院では、コロナウイルス患者が一杯で、出来ないのだそうだ。というので、病院探しが始まる。やがて最悪の状態になる前に、私立病院で、2万ユーロ( 約245万円 ) で手術が出来る事を知った。この金額は、彼の全貯金額らしい。
Botti氏は、Speranza保健大臣に手紙を書いた。「 このようにして 死んでいく他に、道はないのか ? 」
今彼は、Tor Vergata病院から呼び出しがないか、Speranza保健大臣から何か言ってこないか、というわずかな希望を持ちながら生きている。
最悪の場合は、私立病院か、又は……. 同じお金を使って、スイスの病院に行き 安楽死、をするか….. という瀬戸際に立ってきている。
(11 月6日付け)
Roma
11月6日現在、Roma市の1日間だけの新感染者数は、1207人と記録された。病院はもう満杯なので、運ばれてきた患者達は、救急診療所や待ち合いホール、廊下、の中で、ベッドに身体を横たえながら、4日間位 病室に行ける日を、待っている。この多大な数の患者を収容するのが大変なわけだ。RomaのCasilinaカシリーナ通り近くにあるVanniniバンニーニ病院は、146人の患者を入院させる為に、外科、外傷、整形外科、婦人科、心臓病科、などの部門を閉めた。
(11月6日付け)
Roma
市民総合病院であるUmberto I°ウンベルト・プリモ病院は、新しく500のベッドを用意できるそうだが、今度は医者や看護師や医療従事者がいない。この病院は、107人の看護師を雇用する為に、9月30日に国家試験を、又新たに120人の看護師雇用の為に、11月2日に国家試験をする旨を決定したのだが、まだ具体化してきていない。400人のアシスタントも同じ………
「 ベッドの数が増えるのはいい事だが、世話する人がいないのでは…. !! 」と、ある労働組合書記長は、嘆いている。
(11 月6日付け)
11月4日の首相令で、3つの危険地帯 ( 赤色、オレンジ色、黄色 ) に分かれたItaliaだが、6日付けの更に出た首相令で、黄色からオレンジ色に変わった州が :
Abruzzoアブルッツオ州(州都L’Aquila )
Basilicata 州………………. ( Potenza)
Toscana州……………………( Firenze)
Liguria州………………………( Genova)
Umbria州……………………..( Perugia)
オレンジ色地帯が 黄色地帯よりも、何がきびしくなるのかというと… 市から市(もしかしたら、県から県?)、州から州を超えてはダメ、なるべく日中でも家にいる、レストランなど完全に閉店。個人経営店は、開けていていい。
(11月6日付け)
Toscanaトスカーナ州
「 病院の中で、アポイントメントをとって実施する全ての活動を、中止したい。」と言っているのは、Toscana州の地方保健局責任者の Paolo Morello Marcheseパオロ・モレッロ・マルケーゼ氏である。Firenze県、Prato, Pistoiaが、その対象になる。なるべくベッド数を、コロナウイルス患者の為に確保したい、という事らしい。ただし、腫瘍や梗塞、発作、緊急、などの手術は受け付ける、という事だ。。。6日の新首相令で、この州は、黄色地帯からオレンジ色にかわった。。。
(11月11日付け)
Vareseバレーゼ市
Milano から北に59km上がっていく。スイス国境に近い。
この市のDavide Galimbertiガリンベルティ市長が言うのには、市内またVaresre県の病院のベッド数は、もう空きがない。感染者が増大している。。。Milano通勤者も多いのだろう。。。lockdownの措置を国がとってくれるように、祈るばかりである。。。この市は、赤色地帯なので、lockdown に近い状態だが、完全lockdown をしてほしいようだ。。。
(11 月11日付け)
。。。病院も あえいでいる。ある病院内部をビデオ撮りしたのを、TVニュースで見たが、靴をはいたままベッドに寝ている患者は、市のアシスタント要員か、白とオレンジ色の制服を着たままである。廊下の中にベッドが、というのはもう誰も驚かない。車椅子に座っている人は、長時間放りっぱなしになったまま。隣の患者(廊下の中のベッドに寝ているが)がトイレに行きたいとうめいているが、誰も来ない。いろんなゴミ袋が積んであるそばで、ベッドの上に寝ている患者。その間を完全武装の看護師たちが、忙しく通過していくが、立ち止まる時間すらない。医者が、もうやめる、疲れた、と言っている。小麦粉アレルギーの患者が食事を頼んでも、なかなかこない、やっときたと思ったら、ツナの缶詰めとサラダだった。トイレに行って亡くなった患者あり。だんだん収拾がつかなくなってきているようだ。。。
。。。又々、オレンジ色から、赤色地帯に変わった州があるのだが、次の次に触れたいと思います。。。
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