ガイドはつらいよ(長蛇の列)2020年11月26

🦃Postino さんより🧐🐪

ガイドはつらいよ(長蛇の列)

Postino “Roma からの便り”

2020年11月26日木曜日

コロナ騒ぎが始まる前は、観光中どこにいっても、長蛇の列でした。たまにない時、例えば真実の口に12月や1月に行って(クリスマスとお正月の時期は外す)、列無し、私達と真実の口だけ !!  という時は、多分 ガイドは狂ったように笑い出したのではないかと思います。皆様、びっくりしないでね、ああいつもガイドさん、プレッシャーがかかっていて大変なんだなあと思って下さい。

真実の口に、夏 並ぶのなら、午前中にいった方が良い。午後に並ぶと、太陽がパンパンに当たって、36度Cの炎天下になるので、しおれた野菜になる事 必須です。列は、教会から出て、小さな張り出し玄関 (4本の円柱は、遺跡から持ってこられた2000年前の柱で、一本一本違うでしょう) の所位から並び始めて、20~30分といったところでしょうか。

サン・ピエトロ大聖堂に入場する為には、大聖堂の前にあるサン・ピエトロ広場の一角にあるセキュリティーに並ばないといけませんが、その長蛇の列   !!! には、驚かされます。だ円形の広場の上に、140位の聖人達の像(といっても彫像の高さが6、7m位もある)がズラっと並んでいて、30万人もの人が入れる広場ですが、この広場に一周近く列がある時は もう絶望 !  でも何もしないでいると、観光時間は 限られているのですから、セキュリティーが終わって中に入っても、もう時間がなくなる、というので、並んでいる間に全てやってしまおう、中に入ったら見るだけにしようという事になります。

礼拝堂内の写真集を、いつも持って来ていて、それでグループに説明し始めます。それが終わると、広場にある、ある地点から列柱を見ると4本ずつ並んでいる柱がピタッと一本に重なり、ということは、一番前の柱の後ろに残りの3本が重なり、見えなくなってしまう、要は一本ずつしか並んでいるようにしか見えないという地点の説明、おばけ煙突みたいと言って、わかる人、わからない人….. それを見るのは、 どの道 あとで礼拝堂から出てきたらそこを通るわけですから、一応説明だけする。

広場に関しての説明。

そして列の長さをみる。日没が早くなると、午後の観光の場合、礼拝堂から出てきたら暗くなっていたりするので、写真を2人ずつとか、撮影する。ただ全員が列を抜けて写真を撮り始めると、後ろに並んでいる人々が承知しないでしょうから少しずつ抜ける。それが終わると、セキュリティーをする際の注意事項を言う、とまあやる事は、あるわけです。

でもこんな時間があるんだったら、その同じ時間で バティカン博物館に入場観光できるかなあという事で、そしてバティカン博物館から、ガイドと一緒だったら通過出来るという出口から出ていくと、サン・ピエトロ大聖堂のセキュリティーが終わった人達が歩いている所に出ていくので、列をしなくていいという、この時間の使い方の方がいいのではないか….. だから段々、博物館とサン・ピエトロ大聖堂見学が一緒になってきているかと思います。博物館も広いですから、システィーナ見学だけが、指定されていると思います。

ある日、4人家族のお客様達をお連れして、サン・ピエトロ(入場)に行きましたが、専用車で向かっている時に、前方で交通事故が発生して、私達の車もピタっと止まってしまった事があった。途中まで歩いてタクシーを拾うか、このまま待つか、難しいところです。で、お客様にお聞きしたら、このままがいい、という御返事だった。お一人が高令の方で足が少し不自由だったので、そう考えられたのでしょう。

そして サン・ピエトロ広場に着いたら、やはり長蛇の列….. いいですよ、入れなくても、と仰ったが、車の中で、「もう多分この旅行が最後になると思います。サン・ピエトロ大聖堂は見ていなかったので是非とも入場したい。」と聞いていた手前、渥美清ローマ版の私はどうします ?   ああそうですか、で簡単に引き下がれないでは、ないですか….. 

「よおし、ついてらっしゃい !!」と言って 4人を連れて列を飛ばし始めた。心臓ドキドキ、顔はさりげなく…. 案の定一人のアメリカ人みたいな観光客が、NO, NO !!  と言って、仁王立ちで後ろを指差す。私は  人差し指で前を指しながら「 グループ、アソコ、アソコ、カレラ、ローストヨ、ヤット ミツケタネ 」と下手な英語で返事をして、この時ばかりは、首からぶら下げているガイドライセンスを 突きつけるようにして見せて、歩きながら ( 走り ? ) 去ったのでした。