ガイドはつらいよ(夢想と現実) 2021年4月15日

Civita di bagnoregioチヴィタ ・ディ・バーニョレージョ :

Romaから約110km上がっていったところにある観光スポットで、車で着いて、降りて歩き始めると、ボーッと目の前にその孤島のような町が浮かび上がってきます…… 小さな丘の上に乗っかっているような不思議な町というか、数軒の家が固まりあっている一角というか…….町でもなく、村という訳でもなく、小粒ながらやはりBorgoボルゴと呼ぶのがピッタリときますか… そのBorgo村落、 の中に入ると、中世の時代からの家が残ってきているという、二階建て家のかわら屋根を支えているボロボロの石の壁……

つい最近、ある家の玄関に上がるための階段の片側をおおっている石の壁が少しくずれたとかで、ニュースになっていましたが….. 住民は11人だが、家は強化され、夏は芸術家や観光客が滞在を楽しむという…… 路地をさ迷い歩いて ( と言っている暇もなく、直ぐに反対側に出てしまうが….. ) 、雰囲気にひたってみるのもいいと思います…..

ずいぶん前でしたか、数人のお客様達と一緒に、Orvieto オルヴィエートからやってきてここに立ち寄る、という仕事が回ってきました。

私達はミニバンでやって来て、降りたちました。ほったて小屋みたいな切符売り場があって、以前は無料だと聞いていたのに、な~るほど… 1€払うのか、と少し現実に引き戻されましたが…. (最近は、5€になっているとも聞きました…..)

さていよいよ、長い細い橋を歩いて、何百m先の、島みたいになっているBorgoにたどり着かないといけない。この橋は、1965年に、鉄筋コンクリートに造り直された橋らしい。それよりも、高さが、すごい、こわいのなんのって !!! コワイコワイしか覚えていない位にすごいわ !!

橋の幅は狭く(と、私は感じたが….) 、右側も左側もストーンと…..下を見ようと思っても、何となく深い感じは分かるので、まともに見ないように、ひたすら前をみる努力をするのですが……手すりみたいなものがあったが、鉄製だったか、ロープだったか、もう覚えていない。さあ、歩こうと思い、歩き始めると、やがて…. 体は前に行くのですが、お尻は後ろに残っている感じとでも言おうか…… 怪我をした時に、最初痛みもなにも感じないが、まもなくひどい痛みを感じ始めるっていうの、それと全く同じ、まもなく自分のやっていることがわかり始めると、足が、足が !!! ま・え・に、進まなくなった !!…. 私は実は、高所恐怖症なのです !!! 😵足元から寒気があがってくるって、わかります ? 落ちようと思ったら、落ちれる、なんて、おっそろしいでは、ないですか……..

引き返そうと思っても、出発地点からここまでは、強気でもってやってこれたのだか、ジワジワと気が付き始めると、足がすくみ 戻れない、風の強さが身にしみる…….

ガイドさ~~ん、と 遠くで呼んでいる声がするので、そちらをゆっくりと向くと、早々と渡り切ったお客様たちがこっちを見て何か叫んでいるみたい…… 笑わないといけないとは思うが、顔がひきつってしまって….. 泣いたほうが簡単みたい …. お客様達は、頼みたいガイドの条件、に、思ってもみなかった、NO高所恐怖症、もいれないといけないのかと、しみじみと考えているにちがいない….. あ、お客様達がこちらに来始めた !!! それはやばい、お客様に何かあったら、大変だ、という考えはその時、とっさに浮かばず、何かあった時にその原因はと聞かれたら…..と一瞬我を忘れた。

というので、さすがの私も足が動き始め、胃がストーンと落ちていくような感じを味わいながら、向こう側にどうにかこうにかたどり着きました !! …… 帰りはどうだったの ? なんて聞かないでね……. お客様達からの苦情があったのかどうか、私には、届いておりません…..