“肥沃~守る”、の意味 :
“木” についてですが、緑の木々が年毎によみがえるというので、女性のイメージとダブり、シンボルマークとしても、使われていきます。オリエント(東方)に近い古代儀式の中にも、Astarte 神(肥沃の女神)として現れてきますが、この女神である木の幹に蛇が巻きついているというイメージが、やがてエデンの園のアダムとイヴの話に繋がっていき、強いてはモーゼが持っていたブロンズの蛇の棒にも繋がり、イスラエル民族を守るという意味に使われていきました。
慎重・思慮深さ、を意味する :
マタイによる福音書にも、蛇のように
慎重であれ、と書かれてあります。
よみがえり、の意味 :
Asclepio(Esculapio)は、古代ギリシャ神話の治療の神様。この神様は、なかなか複雑な生い立ちで、メドゥーサの血が混ざっていると言われ、彼の体の左側から出る血液は毒であり、右側からは死者さえもよみがえらせる、つまり治療する良い血が流れていたといわれていました。この神が祭られた神殿に一晩横たわると、病気やケガも治るといわれ、一匹の蛇が神殿毎にいて、よみがえるという意味からか(蛇は脱皮する)、神聖にされ、蛇を殺すと神に対しての冒とくだと受け止められていたようです。
紀元前291年にRomaでペストが流行ったので、その当時は、古代ローマの共和制時代だったのですが、議員達は祈願のために、RomaにAsclepioの神殿を建てようというので、その為の一団を古代ギリシャに送りました。 そして神殿からこの神様の彫像をもらい戻っていく途中で、この神の代理人である蛇が船から抜け出して、Tiberina ティベリーナ島へ泳いでいったので、神の意志だと受け止められ、Tiberina 島に神殿が建てられたのです。1585年からこの島のなかにヨーロッパでも重要な病院の一つである、Fatebenefratelli病院が建てられました。
Caduceo カドゥチェオ(イタリア語) にもヘビが巻きついている :
どうしてヘビが巻きついているのか確かではないのですが…..マア神話に関して、確かだという言葉を使うこと自体が、何を根拠とするのかわからんが……
Caduceoとは、元々魔法の棒であり、それから古代ギリシャにおいて、持っている人が何の問題もなく、どこでも通過できる通行手形になったようです。
エルメス ( 古代ローマ神話ではMercurioメルクリオ、古代ギリシャ神話ではErmes、Ermete… 英語でマーキュリー。メッセージを運ぶ。ガイド、案内人)のシンボルマークになる前に、すでにオリエント(東方)に近い所では、神からのメッセージを運ぶ時に、このCaduceoが 使われていたらしい、だからからか2枚の小さな羽も、Caduceoにくっついているようです。
最初の頃は、このCaduceoは、オリーブの枝か、又は 棒に2、3枚の葉っぱが付いていたという感じだったようです。そして又、このCaduceoにヘビが巻きついているというのは、医学のシンボルとして扱われているのかもしれません。
そうでなければ、古代ギリシャ神話の、あるエピソードによると、アポロが眠っているすきに、ヘルメスは、アポロが草を食べさせていた羊を盗んだのですが、後にそのことが発覚して仲直りをする際に、アポロはヘルメスにCaduceoを与え、ヘルメスは、ヘルメス自身が創造したといわれるチェトゥラ(弦楽器) を贈ったといわれています。アポロは、過去においてニシキヘビを退治したことがあるので、暗示的にCaduceoに蛇が巻きついているわけです。
又、あるエピソードによると、ヘルメスが2匹のヘビが闘っているのを見て、Caduceoを投げつけたので、この2匹がCaduceo に巻きついたとも言われています。
そしてヘルメスはキューピッド( 恋愛の神,ギリシャ神話ではErosと呼ばれる) の教育者とも言われているので、Caduceoは雄弁と理性を表している、又は教師としての質を表しているとも解釈されています。そうなると、ヘビは慎重さ、しいては賢明さを表していると言えるわけです。
ヘビが自分の尾をくわえていて、円形になっている意味 :
これは、古代エジプトにおいては神聖なシンボルマークでした。ヘビは脱皮して生き続けていく…”永遠” を表している…..やがて Saturno (農業の神様)につながっていき…..農業は種まきから始まり、取り入れ、そして又種まきと続いていくその永遠性…… ” 時 ( Tempo ) ” につながり、*ヤヌス ( Giano,新しい年 )にもつながっていったのです。
ヤヌス…..ローマ神。。。皆様がバティカン博物館の、あの長い廊下を歩いていて、地図の間にやってくると、窓の下にいろいろな小さな顔の彫刻が並んでいるのをご覧になったでしょうが、その中に、顔と顔とが 後頭部でくっついている頭像を覚えていますか ? そう、あれがヤヌスの神なのです。
住居の敷居や町の門を見張っていると言われ、だから二つの顔を持っているのです(。。。これも泥棒よけに、自分ちの家の玄関に置きましょうか。。。)
古代ローマ時代においては、人々は角柱の上にこの二面性を持つ顔をのせて、自分の領域が終わる境目に、よく置きました。
ヤヌスは、”始まり”も意味し、”事業の始まり” 、”月”の始まり、”年” の始まり( だからItaliaでは、1月のことをgennaioといいましたよね)など、神に祈願していました。当然 ” 世界の始め・創造” という概念にも結び付いていきます。
ルネサンス時代になるとこの二面性の顔が “時” のテーマを扱う時に、”過去” と”未来”としてのシンボルとしても使われていきました。
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