そぞろ歩き(ゆっくり鉄道)続き
2022年2月15日火曜日

Tanaroターナロ鉄道(Ceva - Nucetto -Ormea )
ピエモンテPiemonte 州 ( 州都は トリノ )って、ずいぶん大きい……シシリー島に次いで、2番目に大きなイタリアの州だとは (2万5386平方km)知らなんだ…!!

その中で、リグーリア Liguria 州 ( 州都は ジェノバ )近くを走る、ピエモンテ州の、Ceva – Nucetto ー Ormea 間です。直線距離で 28km位という短さ。

1893年に開通しましたが、2012年に閉まり、2016年に この州と国鉄財団が主催をして、” Binari senza tempo ( 時なし路線 )” を計画、2017年8月に 正式に ”イタリアの観光鉄道 ” の中に 入れました。

蒸気機関車(と書いてはある )と 1930年代の車両で、l’Alta Val Tanaro ( ターナロ川の流域 )を走ります。

トリノから出発をして、一気に地中海近くまで走っていって、最初の停車駅は、Nucetto :

Nucetto…..

この駅は1889年に建築祝いがされたという古い駅で、それなりの特徴が見られ、修復されては いますが、観光客は降りて 見ることが出来ます。そこには、博物館もあり、l’Alta Valle Tanaro について、又 国鉄関係 そしてこの町の特産品であるCece ( エジプト豆。チェーチと複数形で言われる場合がほとんど)について、等が 展示されています。

住民は403人という小さな町で、名前からもわかるように、noce ( クルミ )で生きて noceで死ぬ、という土地柄….なるほど クルミの木々が見られ、町は海抜 450mの高さにあります。ここは、l’Alta Val Tanaro の入り口で、炭鉱跡を 見ることが出来る、というのは、炭鉱業が 1800年代から 1950年まで、盛んだったそうです。坑道や簡単な住居跡などを、今でも見ることが出来るようで、そうすると ひょっとしたら 映画などの撮影も 行われたりするのかなぁ……

文字通り 避暑地に持ってこい、の場所で、この静けさ……緑地帯が広がり、泉がわき出て、秋はキノコ、栗の木も広がり、自然のままで、街の雑踏からは、程遠くホドトオクなり、誰でものびのびと散策出来て 楽しい !

かまど焼きのパンも有名。Ceci 栽培でも知られ、7月の最後の日曜は、”Ceciata alla zingarella” 祭りで にぎわいます。

Ceci e Salame cotto (チェチと煮たサラミソーセージ)を、無料で 食べさせてくれるという….夏の盛りなのにって ? たぶん ここは涼しいんじゃない ?

祭りは 午後5時頃から始まります。まず 軽く、パン(といっても ”ここ” で作られたパンですよ !)と 煮たサラミソーセージが(。。。*コテキーノなのかどうかはわからないわ。。。) 出され、いよいよ 本番 !!

チェチと コテキーニの ** ズッパ を、無料で 広場で食事でき、ジプシー衣装を着た この土地の女性達が給仕をしてくれます。。。何で 衣装がジプシーなのかわからない。この祭りは 1950年代に始まったそう。。。又 小コンサートがあり、 踊ったりも出来るという、伝統的なお祭りが 繰り広げられます。

*コテキーノ Cotechino …..北イタリアの伝統的な豚肉ソーセージ。豚などの腸を 洗い、中に 豚の皮、豚肉、細かく切った軟骨、ベーコンなどをよく混ぜて、塩やローズマリーで 味を付けたソーセージ。

**ズッパ Zuppa ….スープなのですが、コンソメ スープ ではなく、ごった煮みたいないろいろな具が入っているスープ。レストランで、コンソメスープを注文したかったら ブロード Brodo と言って下さい。

Ormea…..

2番目の停留所です。この地は、海抜736mで、住民は 1532人。アルプス山脈の、始まりの部分を成していて、ピエモンテ州、リグーリア州、フランスと、またがっています。

6月になると、毎週土曜日に、” Terra d’Ormea ” テッラ ドルメア と名付けられた 、お皿とワインの散歩道 、とでも言おうか、伝統的に旧市街の道路上で 食事会が 催され、ここは ピエモンテ州と リグーリア州の境にあるので、どちらの料理も並び、それぞれに合った 土地のワインも、用意されるようです !! 。。。行きたい人は、やはり確かめるように 。行ってみたら、土地のビスケットばかり出された 、話が違う ではないか、と悔しがらない為にもね 。。。

8月最後の日曜日には、”I Sapori della Balconata ” の 催しが あります。Balconata自体は、CAI ( イタリア アルプス クラブ ) が企画した 全長 40kmにわたる 山間(ヤマアイ。山と山の 間 )の小道を歩くという趣向なのですが、まあ 40kmは歩かないだろうと思いますが、小さな木橋を渡って、と、清々しい道のりが 続いていく事でしょう。それだけでも楽しいのに、なんと五ヶ所でたちどまり、Ormeaのスペシャル料理、それに似合う Ormea か、リグーリアか、ピエモンテ産かのワインが添えられるという 、ガイドと共に グループの一員として歩く、ようだから、飲み食いの費用は 参加料金に含まれているのかどうかは、知りません…..まさか無料ということは ないでしょう…..これも又 確かめて下さい。

スペシャル料理のうち、Cin と呼ばれる じゃがいものピューレ (又は マッシュポテト )もあります。ポロネギと、山草が混ぜ合わされているのですが、それらを混ぜ合わせて、パイ生地でくるんで揚げた、tultei (tultei Ormea Italiaで検索してみて下さい )も、この地方独特の料理なのでしょう。

16:55 発の列車で、Torinoに戻りましょう。

時刻表 :
Torino Porta Nuova 8:55発
Torino Lingotto …….9:02着 9:03発
Savigliano …………..9:39着 9:40発
Mondovì ………….. 10:09着 10:10発
Ceva ……………….. 10:30 着 11:00発
Nucetto………………11:15着 12:15発
Ormea……………….12:55着 16:55発

(続く)