日本の街に星の数程あって、日本人の生活に無くてはならないものにコンビニがあり、その機能もまるでスマートフォンのようにどんどん多様化しています。ところがイタリアにはコンビニが存在しないのです。その代わりイタリアの街に星の数以上にあるのではと思う位バールがあります。
バールというのは日本の喫茶店に近いのですが、お茶を飲んでゆっくりするの言うよりはカウンターの立ち飲みでふらっと気軽に食前酒、コーヒーなどを飲む所です。タバコも売っているバールもあれば昼食のセルフサービスを出す所、ゲームセンター付き、トトカルチョ(サッカーの予想賭博)や宝くじの売店付き等コンビニとは違いますが多機能な場所なのです。朝7時頃から開店して朝食をカウンターで取る人、仕事や買い物の合間コーヒーを飲んで立ち去る人々、食後友達と連れ立って来て誰かのおごりでエスプレッソでしめたり、最近はサンドイッチやピッツァが売れ残らないようハッピイアワーといって夕方からアルコールとセットで800円位の食べ放題で出すのが流行っています。
夜9時位までとにかくひっきりなしに客がきます。営業時間も長くかなりきつい商売だと思いますが、利潤が高いのか、私の家から3分圏内でざっと10軒はあります。たいていの人は行きつけの馴染みのバールがあってバールマンも客に冗談を飛ばしているし、家の近所では、道路にしつらえたテーブルを囲んで老人立ちがコーヒー一杯で何時間も談笑したりトランプで遊んだりしています。家を出てバールにくれば誰かに会えるという意味で老人にとってはかけがえのない憩いの場所なのです。
夜9時位までとにかくひっきりなしに客がきます。営業時間も長くかなりきつい商売だと思いますが、利潤が高いのか、私の家から3分圏内でざっと10軒はあります。たいていの人は行きつけの馴染みのバールがあってバールマンも客に冗談を飛ばしているし、家の近所では、道路にしつらえたテーブルを囲んで老人立ちがコーヒー一杯で何時間も談笑したりトランプで遊んだりしています。家を出てバールにくれば誰かに会えるという意味で老人にとってはかけがえのない憩いの場所なのです。
外国から来た我々にとっては、最初の身近な社交の場はバールかもしれません。日本にもこんなスペースがあればなあと、帰国する度に思うのです。
村山 依子