アーテイチョークの季節に

こんにちは。

アーテイチョークってご存知でしょうか。キク科チョウセンアザミの多年草で、和名はチョウセンアザミになります。地中海原産で、若いつぼみを食用としています。

アーテイチョークの産地からこのお話をしましょう。

歴史はとっても古く、古代エトルリア人のお墓からアーテイチョークの絵が描かれていたのが見つかっているそうです。古代ギリシャ、ローマ人たち以降、野生のアザミから品種改良が進んで現在のものになったそうです。イタリアでは、特にローマの北部、海よりの地域とまた南部で作られていて、ナポリ南部のペストウムのアーテイチョークと共に、EUから保護された品種IGPとされています。

私の住む田舎では、アーテイチョークがそろそろという感じですが、通常は春先がシーズンになります。

食べ方は、いろいろあって、アメリカ人がまるごと茹でて、歯でしごきながら食べているのを昔見ましたが、ローマ近郊では、通常まあるいアーテイチョークをきれいにしながら、ニンニクとパセリを加えて塩味でコトコト煮るのが ローマ風と呼ばれ、ポピュラーでしょうか。

そのほか、新鮮なものであれば、中の芯を細く切ってサラダにしたり、*切ったら、すぐにレモンをかけないと、真っ黒になります*、オリーブオイルで軽くフライパンで焼いたり、ユダヤ風とローマで言われているのは、丸ごと油で揚げたもので、フライドチップスのようにカリカリといただきます。

美味しい食べ物を話しをしていたら、お腹が空いて来ました。

今年はどんな風にして食べようかと考えるのも、楽しみのひとつです。

ではまた。

平井 由利

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ビターオレンジのマーマレードジャム作り

田舎住まいの我が家の庭には、何本かのセビリアオレンジの木があります。(ローマは大都会ではないので、少し郊外に行くと広大な田舎になるのです)セビリアオレンジは、ヴァレンシアオレンジと異なり、苦みのある酸っぱいオレンジなので、マーマレードにします。

イタリアでは、ソレント半島にもオレンジを沢山育てている場所がありますが、なんと言っても一番大きなオレンジの果樹園は、シチリアのカターニアからシラクーサにあります。

さて、冬の私の仕事のひとつにこのマーマレード作りがあります。毎年違ったレシピで一風異なるジャムを作るのも楽しみのひとつでしょうか。

今年のオレンジはこんな感じです。元気そうでしょう。

今年の第一回目作品は、こんな感じでやってみました。

① 収穫したオレンジを洗い、大きなボールに水を浸して一日つけておきます。その際、割りばしで沢山の穴をオレンジに開けておきます。

② オレンジを二つに割り、種を取りながらオレンジジュースを絞ります。中に残るオレンジの実はスプーンで取り、オレンジジュースと一緒にお鍋に入れます。

③ オレンジの皮も細く切って、お鍋に入れます。

④ オレンジが隠れるくらいにお水をお鍋に入れて、弱火でコトコト煮ます。焦げないように木のスプーンでときどきかき混ぜます。

⑤ 2時間くらい煮たあと、お砂糖(ジャムではオレンジと同量と言われますが、私は少なめ)、今回は1キロのオレンジに500gのお砂糖。レモンを絞ったものを加えて、また沸騰させます。10分くらい煮て、出来上がり。

⑥ 予め沸騰させたお湯で消毒しておいたジャム用の容器に熱いうちに入れ、蓋をしてひっくり返しておきます。真空パックにするためです。こんな感じです。

私は朝食のトーストに使ったり、紅茶に蜂蜜がわりに入れたりします。

イタリア人の友人たちは、クロスタータやマフィンなどのお菓子などに使ったりしている人もいるようです。

何しろ農薬を使わないので、体には非常にいいのではないかと思っています。

平井由利

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大晦日、年越し料理のためのレンズ豆。。。。 のみならず!

太古の昔から地上に存在する豆類の中でもレンズ豆は 人類が最も古くから食用栽培した植物の一つです。紀元前1万 3 千年から1万 1 千年にかけて 既にギリシャで食されていたと考古学的にも検証されています。 発掘の際の出土品から見てもこの豆は 実に先史時代から 食され続けていることがわかります。そして豆類全般に共通して言えることですが 安価であるだけでなく、栄養価が高い関係から いつの時代も『貧しい者たちの肉』と見なされてきました。

また レンズ豆の語源は 光学レンズの形状をもつことが関係しています。更に コインの形をも連想させる理由から、イタリアでは 新年に向けて繁栄、幸福、金運を祈願し年越し料理としてレンズ豆を頂く習慣があります。一般的に豆類は、タンパク質、食物繊維、鉄分、マグネシウム、カリウムを摂取するためには非常に良質な食材であり、特に 鉄分に関しては 肉類以上に含有量が上回ります。 その上 レンズ豆は 栄養価が高いだけでなく、100g につき 実に 291kcal あり 活動のためのエネルギー源となります。

大晦日のためだけではありません。イタリア料理において レンズ豆は、実に重宝されている食材です。 例えばクリームスープ、野菜スープなど各種スープ類にはもちろんのことまた煮込んで副菜としても利用でき、このようにちょっと気の利いた一品や乙なレシピのための貴重な基本食材となります。近年では サラダにも具材として使うことで まろやかな食感が加わり 一味違った一皿となります。またパッサート(裏ごしスープ)にしても絶品の美味しさです。

『一皿のレンズ豆の取り引き』この古くから知られる言い回しは、今も一般的に広く使われています。要するに、「何か価値のある物もしくは大切な物を 目先の利益にとらわれて 実際よりも 価値の低いまたは無意味なものと交換 したり売ったりする。」という意味です。このことわざの元となる話は『 イサクの長男エサウが弟のヤコブに Read more

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ソレント風ニョッキ

Ridi Ridi perche’ mamma ha fatto gli gnocchi!!笑え、笑え、マンマがニョッキを作ったのだから!!

木曜日はニョッキの日という事で今日はソレント風ニョッキです。

“Giovedi gnocchi, venerdi pesce, sabato trippa”

「木曜はニョッキ、金曜は魚、土曜はトリッパ」ローマ独特のこの習慣はどこから来ているのか?

キリスト教の文化が今よりもっと根強かった戦後、金曜日はイエス・キリストが磔刑にあった曜日ということで、慎ましく魚、特にタラとひよこ豆を質素に食す日だったようで、その前の日、すなわち木曜日にはしっかりとカロリーのある食事ということでニョッキが選ばれていったようです。

では土曜のトリッパ(モツ)は?と言うと、一週間の中でも特にゆっくり豪華な食事を用意する習慣のある日曜日の前の日ということで、精肉屋は大忙し。高価良質な部位を切り落とした後の内蔵などは安価で売られたため、土曜はタンパク質もしっかり取れる手軽なトリッパが庶民の間に浸透していったようです。

とうあいこ

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いちじく

春から秋にかけて、安くて熟した美味しいメロンが売り出されると、必ずするのはProsciutto e Melone. 

そう生ハムメロンです。我が家ではだいたい1人ふた切れを前菜として頂きます。 友人が訪ねてきて夕食を一緒に、とか、誰かの誕生日などには、本格的に、前菜数種類、パスタ、そして第2皿目としてお肉料理、ちょっとした野菜、最後にはデザートとなり、一週間分のカロリーをぺろっと全員平らげますが、毎日そんなことをしていたら、大変なことになりますから、毎日の食事の中ではもっとシンプルです。生ハムメロンとパスタだけとか。 そうそう、夏になるといちじくが美味しいですよね。

イタリアのいちじくはこんな感じで小さな黄緑が多いですが、その中に紫も混ざっています。このいちじくと生ハムがまた良く合うんですよね!

とうあいこ

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ピンサ ロマーナ

ピンサ  ロマーナ少し前からローマで大流行なのが、ピンサ  ロマーナ。財務省近くのPINSEREという店が始めた新しいピッツァのタイプです。まず、生地がピッツァとずいぶん違います。75%から80%が水からなるとろとろの、手ではなかなかつかみ難い生地を1日から数日発酵させ、まず生地だけを半焼きにするのです。まるでインドのナンのようなものが出来上がりますが、そこにトッピングをのせて、ショーケースに並べておきます。お客さんの注文に合わせてそれをオーブンで数分焼いて出来上がり。ピッツァと比べて軽くサクサクした食感が特徴的です。我が家でも最近ピンサ 宅配をよくしてもらいます。   

とうあいこ

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