デル グリッロ伯

Il Marchese del Grillo 「デル グリッロ伯」という映画を見たことがありますか? 今は亡きイタリアの国民的喜劇俳優アルベルト・ソルディの実に笑える映画があります。 フォロ・ロマーノの中心を走るフォーリ・インペリアーリ通りに並行してデル グリッロ坂はあります。坂の途中にアーチが渡されている所がデル グリッロ貴族の宮殿なんですが、この貴族のかつての当主という設定で面白おかしく描いた映画なんです。 デル グリッロ宮殿のある道からはトラヤヌスのマーケット跡の裏手に残るInsulae、すなわち古代ローマ帝国時代の集合住宅跡が見られます。また道に沿って背の大会頑丈な壁があるのですが、これは古代にフォロとSuburra(庶民の地域)を隔てた壁です。

とうあいこ

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ミケランジェロの家

ジャニコロの丘のサン・パンクラツィオ門のすぐ近くに⎡ミケランジェロの家の正面の復元⎦と言われているものがあります。 碑文にはTre Pile通りのミケランジェロの家の正面部分を1930年に移転し復元した⎦と書かれています。 しかしミケランジェロはローマに移住してから何度か引越しをしたものの、最終的には晩年までMacel dè Corviに住んでいたことがわかっています。これは今現在ヴェネツィア広場のジェネラーリ保険会社として使われている建物の裏側に当たります。華やかな作品を残したミケランジェロの生活は決して派手ではなく、家は1階が工房、2階は2DKのアパートだったようで、1800年代終わりにヴェネツィア広場の整備のために解体されたまま、悲しいことにスケッチも、残骸も何も残されていないのです。  Tre Pile通りはカンピドリオに登る坂の右脇のあたりに当時通っていた道で、1600年代の版画に、この写真そっくりの家が描かれています。しかしミケランジェロはここに住んだという記録はないようで、そこから移転し復元したというジャニコロのものは一体なんなんだ??と今でもミステリーとなっています。

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パオラ噴水

La Mostra della Fontana dell’Acqua Paola 

ヴァティカン市国の南側にジャニコロの丘があります。ローマを一面見下ろせる位置に、パオラ噴水があり、目の前はすぐに車道ですから行き交う車が後を絶ちません。ローマ帝国の皇帝トラヤヌスの2世紀の水道橋を17世紀のローマ教皇パウルス5世が復旧し、その記念に建てた噴水です。噴水ってローマに沢山あるけれど、このパオラ噴水や、モーゼの噴水、トレビの泉などは基本的に古代の凱旋門をイメージし、新たな水道橋を通った水がローマに華々しく凱旋してくるのを表現しているのです。

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ローマの水

Fontanella Nasone

家庭の台所の水も、広場の噴水も、夏場お世話になる写真のような水飲み場の水も、ちゃんと水道局が管理して、水質調査を行った上で流している水です。 家庭ではもっぱら市販のボトルを買う人、フィルターを通す人、Osmosi Inversaなどの浄水器を設置している人、蛇口からそのまま飲む人、色々います。でも道を歩いていて喉がカラカラになったら、皆Fontanellaから飲むでしょう? ローマに流れる水は9割近くが地下・地表源泉、約1割が井戸水で構成されているようです。古代水道橋を建て直し使用しているものも含め様々な源泉から水を引いているのですが、その多くは130kmも離れたリエーティ県から運ばれてきています。石灰はちょっと多いが飲める水。

 とうあいこ

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