ガイドはつらいよ( 試験当日)

ガイドはつらいよ( 試験当日)

イタリアでは、お客様にガイドをするのに、ライセンスが必要です。国がその為に、国家試験を設けるわけですが、管理するのがあまりにも広範囲過ぎるのか、又はそれぞれの名所旧跡で、条件が違うので 一律に決められないからか、とりあえず国が州に任せる、一時は県に任せたりしていました。

ガイド試験は、筆記と口頭です。筆記はテーマを4つぐらい 主催者側が用意し、受験者は、書けそうなテーマを選ぶ。古代ローマの街道だとか、芸術家、古代ローマ末期時代などなど。
(最近の試験は、クイズが主になってきています。この事についても いつになるかわからんが、次回で述べたい)。

ところが、私の学生時代の日本での試験というと、ペーパー テストで、いろいろな質問に細かく答える、又は穴食いテストで埋めていくという方法だったので、この全部白紙、何も印刷されていない紙、を見ると、どこから手をつけていいのやらで、 恐ろしいのもいい所 !!! しかもイタリア語で書かないといけないなんて !!!

その点イタリア人は、テーマを書く、説明をする、というのは、授業中に訓練されてるだろうから、 慣れているみたいだし… … それにもまして優位なのは、母国語で書けばいいのだから、イタリア人よ、これで受からなかったら、もうガイドを目指すのはやめてもいいんじゃないの、なんて言いたくなる…… と、ある事ない事を ブツブツ言いながら、しばし白紙 と、にらめっこ………

この試験に備えて、仕事も休み、講義にも通いと、それなりの事をしたのですが、そんなもん、座った途端に どっかに吹っ飛んでしまった !!

要は、私としては、授業中に 日本語で説明するという訓練が出来ていないから、例えば「冷蔵庫を説明しなさい」と聞かれて 簡潔にまとめてすぐに説明するという事が出来ていない、そういう時に使う言葉 が出てこない。そうするとそういう基礎がないものだから、イタリア語の文章作成も あやしくなっていく….

それに加えて、その日の朝、初めてギックリ腰になったのです !!!
息も止まり 腰も割れるかという痛みが私をおそった、話には聞いていたが「なんで今日という今日に 起こらねばならんのだ、神も仏もないものか !!!」 と、とりあえず呪った。
そしてその瞬間、仕事しないでという事は、お金 が入らなかった、講義代も馬鹿にならなかった、家族にも迷惑をかけた、という意味だったので、そういう日々が走馬灯のように わーっと押し寄せてきて走り過ぎ、「 これはイカン!」 とロッキー受験者は立ち上がった !!!
(とは言っても ギックリ腰だから、うめきながら、体が少し上に、あがったというところだが……. )
火事場の時の、馬鹿力、というでしょう。そんな感じで、助け無しに、どうやって服を着て、タクシーに電話をして、3階からエレベーターで降りて、外に出ていったのか覚えていない。

まだ口頭試験が残っているのですが、筆者は疲れました。次回にしましょう。