Capoliveri (カポリーベリ ) :
エルバ島南部にある 住人4000人位の borgoです。Portoferraio のborgoについては、8月2日付けの “郷愁のエルバ島” に載せましたが、そこから 南へ だいたい直線距離で 15km位 降りていけば この小さなborgoに 着いてしまいます。このborgoは、海に面していて、色とりどりに 家の壁が塗られていて、楽しく暖かく 私達を 迎えてくれます。細い路地、小さな家々、花が咲き乱れるバルコニー、….ここから 海抜413mの Calamitaカラミータ山に向けて、歩いていきましょう。
この島の中でも、Calamita山は、最も野性的で 魅惑的な場所であり 、地下に 鉱山もあり、現在は 放棄されていますが、ガイドが 案内してくれたりします。湾や入り江を見下ろしながら、海岸線沿いに 上がっていきます。ヒース( l’erica )の花や ローズマリーの香りが満ち溢れ、鉱物の鉄で道が赤く染まっている中を 歩いていくと、静寂で不思議な雰囲気の中に 導かれていくような感じになるでしょう。
日没が 赤く 身体を包み込むような光の中、夜も落ちてきて、頂上に着く頃は 星が雨のように降り注ぎ、月が 海をシルバー色に染めて 銀一色の世界です !
蝶々の聖地 (il Santuario delle Farfalle ) :
。。。世の中は 不思議な事で一杯 ! 蝶々の 羽に広がる いろいろな色彩の幾何学的な模様は、宇宙には果てがない、と同じような摩訶不思議の世界です。。。
その様々な蝶々を見れる場所が、エルバ島にあるなんて、行ってみようじゃありませんか !!
歩きが5kmだが、そんなに疲れる道ではない、往復で 約2時間20分、勾配は 279m。
まず どうにかして、ペローネ山 ( Monte Perone ) に たどり着きます。海抜630m。頂上から見下ろす Marina di Campo湾の美しさ ! 頂上には ピクニックが 出来るような場所があって、安らぎが広がります。
ピクニックの場所から、GTEの表示板を、追っていきましょう。小道を進んでいくと、見る事が出来るほとんどの蝶々についての説明看板が並んでいます。要約すると、3つの異なった地帯を通るようです。
まず 第一番目が 松林。その中で、たくさんの蝶々を見る事が出来ます。
Zerinzia… 日本語で 何というのか…Zerynthia polyxena で、検索して下さい。白地 又は 黄色地に、黒の幾何学的模様が 左右対称で、見事です。
Pieris mannil …. 白地 又は うっすら黄色地に、黒点が バランスよく 可愛らしく 散っています。
la Pironia ….表の羽はオレンジ色っぽい黄色地で、裏は 薄黒のベージュ色。表の オレンジ色っぽい黄色の羽の輪郭が、裏の薄黒ベージュ色で 縁取られて いるという 誰が考えたのだろう !! そして 黒点が 1つずつ 左右の羽の 先端近くに 見られます。
清々しさ、明るさ、松林の影が もたらす 適度の湿気、などで、これらの蝶々の、理想のすみかになっているようです。
第二番目に近づくにつれ、小道がますます細くなり、草地や 岩がごつごつの地帯に到着し、エニシダの花や ヘリクリサムの花( 色とりどりの花が咲く)が 咲き乱れています。
第三番目地帯も 森林地帯で、蝶々の数は 少なくなりますが、あの有名な Giasone が飛び交っているのを、見る事が出来ます。
Giasone ( Charaxes jasius )….大きさといい、速く飛ぶ事といい、特に イタリアで 有名な蝶々。羽の模様が 4つの帯状に分かれていて ( 外側から、オレンジ色 , 焦げ茶色 , 白色 , 茶色のまだら )、左右の羽に同じ模様が 展開して ( まあ蝶々としては 当たり前でしょうが….)、見事という他は、ありません。
見つけたい人は、熟した果物の木の枝をよく見て下さい。液体になっている砂糖を吸っているこの蝶々を見る事が出来るでしょう。
ここまで来たら、後は引き返して、出発地点に 戻って下さい。
ワイン :
ナポレオンが フランスに戻った時、しばしば口にだしたのが、「 エルバの住人は、強くて健康だ。何故なら、ワインが その源を与えるからだ。」という言葉だったそう。
太陽のおかげなのか…海の潮風が 運んでくるのか…..
エルバ島のワイン作りは、紀元前の エトルリア人時代から始まるそうで、古代ギリシャ、古代ローマと、ワインの商業活動も 盛んでした。
近年に入り、Toscana州 ( 州都はフィレンツェ ) の 3大 ワイン栽培地の1つに、入るそうです。そこで、まず 引き合いに 出される 赤ワインが …..
< Elba Aleatico Passito DOCG >
古代、このワインは 死人をよみがえらせる事が出来ると言われていたそうで、療養中に、確かに 病人は 飲んでいたそうです。ナポレオンも気に入って、朝食の時でさえも、食卓に出していたとか…..
色 …. 激しく誘いかけるような 華やかな ルビーの赤色。寝かせれば寝かせるほど、紫色っぽい 輝きがあらわれる…..
香り… 小さな赤い果物が一杯つまっているような…さくらんぼ , イチゴ , ブルーベリー等々…..
風味….甘さが、こくが、口一杯に広がり、余韻を残してうっとりさせる。
アルコール度合い… 最低 12%は確実で、19%まで期待できる。
このワインに合うのが…. Schiacciata Briaca スキャッチャータ ブリアカというこの土地の 伝統的なケーキみたいなもので 、クリスマスの時に よく味わう 。甘いピザ生地のうえに、ドライフルーツがのっている。混ぜ合わせてある原料が、はちみつか砂糖、オイル、アルケルメス( 約30度ある リキュール酒 ) 等。Aleaticoのワインは、ケーキ ( 果物 , 木いちごとクリーム ) や果物の桃とも合う。少し変わった飲み方が、食事の最後に 青カビの斑点があるチーズ ( 例えば ゴルゴンゾーラGorgonzola とか、ロックフォー Roquefort ) と共に 味わうのもいいのだそうです。
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