ガイドはつらいよ(こんな事もあるのか~~) 2021年2月16日火曜日

ある日の事、久しぶりの休日がめぐってきました !! その頃は 毎日といっていいほど仕事をしていたので、やっと !!! 休み….. 今から考えるともったいない話です…….久しぶりにショッピングをしたりしてのんびりしていた所に、リリ~ンと電話,
「 あなた、今どこにいるの ? お客さま達お待ちかねよ !!!」…. バティカン博物館の前で….. アシスタントさんがたまたま何人かのお客様を案内してきて、ついでにガイドにあいさつしようかと待っていたのが来ない、ということで電話になったらしい。聞いた私、ひえ~~!!! と立ったまま凍りつきました。これ又落着いて、落着いて….. 震える手で手帳を開く、穴があくほど見つめても、仕事なんて書いていない、直前になってtappa bucho みたいな感じで、緊急に引き受けたのを書いていなかったのか…..こんな事をしている暇はない、すぐに行かなくては !!!….. と、焦っているうちに、まもなくアシスタントさんが、「 ア、ゴメンゴメン、あなたじゃなかったわ!」という事で、おしまいになりました…..全くもう…….
ガイドを殺そうと思ったら、この手に限るわね……

アシスタント時代、何もかも一人で事をおこして、汗をかいてしまったという例です……… 早朝に△Xホテルから、添乗員さん無しの小グループの出発の際に、注意事項を言った後に、空港に引率していくイタリア人添乗員さんに引き継ぐという仕事があったのですが、どういうわけか、ここのホテルと同系列の、 別の hotel と勘違いをして、そっちの方に行ってしまった。そっちのホテルに着いて、チェックインカウンターの人と駄べり、おトイレに行き、座って落着いた所で、間違いに気がつき、ギョッ !!! となった、私が犬だったら、両耳が、ピーンと立ったに違いない !! 出発時間まで、あと15分しかない、ない、ない~~ !!! すぐにサッと立って、あとは一目散にそのホテルを走り去りました。ギリギリで間に合ったが、最低の注意事項はしないといけないので、グループは10分遅れてホテルから出ていった。空港に行く途中で誰かの交通事故でグループのバスが止められ、長蛇の列になったら、この10分間が命取りになるんじゃないかと、まあ気をもんだこと !! 我々の仕事って、本当に心臓に悪いわ !!

ずいぶん前ですね、Napoli-Pompei1日ツアーで、朝バスでNapoli郊外にさしかかった時でした。まずはPompeiに行こうとNapoli は素通り、そのまま南へ、Napoli湾沿いに25km位下ればいい、と、ところがバスがNapoli 手前の高速道路上で、ストップしてしまったのです。何kmにも渡っての車の数珠(じゅず)つなぎ !!!

まだ携帯電話が普及していなかった頃の話しで、でもバスのラジオだったかな、高速道路の上にある、すごく高い高架道路の上から、誰かが飛び降り自殺をした模様、というのが、おぼろげながらわかってきたのです….. かわいそうに、それなりの事情があったに違いない、全く世の中、どうにかならないものか……. しかし、私も先が全然見えなくなってしまったから、焦ってくるではないか……. どうせならVesuvio火山の頂上とか、Capriの断崖とか、何か手はなかったのだろうか…..

そうすると、ドライバーさんが、「 Vesuvio火山の裏を回ってPompeiにたどり着く手もあるんだけれど、どうする ? 」と、問いかけたのです….. そうか、そういう事も考えられる…..しかしそれをやって着いたら、他のバスはもうとっくの昔に着いていたという危険性もある…. 私の責任になるわね、どうしようか…..

というので……..ガイドの 即決断 !! 「良し、裏を回ろう、皆も景色を見れるし」で、私達は分岐点の手前で止まっていたので、高速道路を抜け出しました。どうなったかって ? 他のバスが着いた頃の直後、だったらしい、私達も到着して、しかし遺跡入口付近のバスから降りる場所での混雑も避けられ、スムーズにいきました。この場合はうまくいったが、もちろんそうでない場合もある…… まあね、幸運も実力のひとつ ?!…… 距離 ? 40km位ですが、信号もあるし、道も一直線でないしで、高速道路を走るわけにはいかなかったでしょうが、グループの皆様には、景色を見ていただきながら、私としては、Pompeiの歴史の話をいつもより少し細かく出来て、良かったわ…… と、マアめでたしめでたしという事にしておこう。