ガイドは つらいよ( スリ、すり)
2021年3月6日土曜日

いつだったか、ジプシーの子供達について述べたかと思いますが、もちろんスリだって、たくさんいるのです。時々「 どういう人がスリなんでしょうか ? 」 と聞かれたりしますが、「それがわかるようなら、私が巡査になってもいいかなあ」と返事したりします。

ある国で、スリの学校の先生をしてる人が、こちらにやってきて捕まった、といつの日か 同僚が話していましたが、その同僚が数年前にTVを見ていた所、パリのルーブル博物館に展示してある モナリザの前で鑑賞している人々の間に、そのスリの先生も混じっていたそうです !!

市バスの一番後ろの席に座っていた時、でした。5人の座席が一列に並んでいる、私は真ん中あたりに座っていた。で、5人座席の右に、後部の乗降口扉があったのですが、停車場について、ワーっと人々が乗り込んで来た。そうすると、一人の若いヒョロッとした男性が、登りながら彼の前にいた女性のお腹の上にあるバッグの中に、後ろから手を伸ばして、突っ込もうとした。それがなんと私の目の前で行われたのです….
知らぬふりもできなくもなかったが、ここで黙っていたら、一生後悔するに違いないと思い、あんたなにするのよ !! と叫んだ。あいつはおっそろしい顔をして私をにらんだが、空っぽの手のまま逆流の人の波をかき分けて降りていった、肝心の女性はなにも知らず、どっかに行ってしまったわ……. 皆さん安心して下さい、あれから何十年も経つが、お礼参りはありませんでした。

数年前に、私がグループと一緒に歩いていた所、向こうから外国人グループ ( イタリア人が私達を見たら、私達も 外国人ですね ) がやって来ました。ラテン系みたいでしたが、すれ違う時に、そのグループの1人で優しそうな30代位の彼女(男性と腕を組んで歩いていた、夫婦みたいな感じ)が、私のお客様のバッグにいきなり手を突っ込んできたんです !!!
私はその時、一番前を歩いていなかったので 見ることが出来たのですが、マアビックリ もいい所 !!
その女性は、いきなり手を突っ込んできたと思ったら、素早く優しく手を引いて ( 顔は始終どこかの優しいおねえさんがほほえんでいる状態) 、何事もなく、去っていきました。
あれ何…?… ひょっとして、スリ…? ….
と私達一同、ポカンとしていました。
幸いというか、お客様は なにも取られていませんでした。

ある日の事、2人のお客様と共に、バティカン博物館観光の為に、地下鉄A線の共和国(Repubblica) 広場からOttaviano 駅まで乗るために、ホームに降り立ちました。
ラッシュアワーの時間が過ぎた後だったので、入ってきた電車を見ると、比較的空いていた。中に入り、乗降口のあたりは誰も居なかったので、3人でその場所を占領するかのように止まり、おしゃべりをしていたのですが、そこにジプシーの男の子達4人位がワッと乗り込んできて、2人ずつに分かれて、通せんぼみたいにして、我々を取り囲んだのです !!
それでとっさに お2人に 「出ましょう !」と叫び、私達が出たとたん、間一髪でドアが閉まりました !!!
あーヤレヤレ、船は出て行く煙は残る、か…….
ビックリしたような顔で、ガキたち、窓ガラスに顔を張りつけたまま、前方に消えていった、ざまあみやがれ、あははっで 、ついでに 手も振りました….