絵画作品等を見ると、よく蛇(ヘビ)が描かれています。聖書にも神話にも度々登場するヘビですが、意味は様々ですね、少し書き出してみると……悪魔、嫉妬、だまし、肥沃、大地、知恵、賢明、慎重、合理性、潔白、医学、時間、等々…. 賢明ですって….. じゃあ ヘビのブレスレットでも つけてみようかな…..
“悪魔” を意味するヘビ :
聖書の中では、ヘビというのは、悪の象徴や悪魔として表わされたりします。ラテン語のdracoというのは、竜とかヘビとか訳されていたそうで、どちらにしても、キリスト教におけるシンボルマークとしては、悪いイメージで、とらえられています。
ボルゲーゼ美術館にある、Caravaggio が描いた “la Madonna dei Palafrenieri” を見ると、聖女マリアが、ヘビを足で抑えている場面が描かれていますが、それは “神の掟(おきて)にそむく罪(=ヘビ)の敗北” を意味しているといわれます。ここでもCaravaggioは、奔放な、その時代に、誰も描かなかったであろう、グラマーな聖女マリアや、一糸もまとわないイエスを描いていますが、どちらにしても “こうでないといけない”という枠から はみだしている点から見て、面白い。ちなみに 洋服のシワのよせ方などは、どの画家でも腕の見せどころですから、いつもしみじみと見て下さい。又光の当たり具合も各画家の苦労のしどころですが、元々、絵の中に光を描くなんて、考えられていなかった時代から、段々と光を描く重要性が増してきて、Caravaggio は、直接に当たる光、間接に当たる光と、研究していったようです。余談ですが、私は絶対に裸の足でヘビなんて抑えられないんだけれど、まあね、絵というのは便利な物です。抑えられているヘビは、原罪を意味しているとも言われますが、原罪については、Postino 人間もつらいよ(忘れ物)2020年12月5日、を見て下さい。
“嫉妬(しっと)” を意味する :
ヘビの肉を食料としている人には、嫉妬が生まれてくるとも言われています。
“ごまかし, だまし, 詐欺” を意味する :
ヘビの頭が 女性の顔だったり、女性の頭に髪みたいになって、ヘビがニョキニョキ動いていたりする….. そう、有名なのが、古代ギリシャ神話に登場してくるメドゥーサです。彼女に にらまれると石になるという….. だから古代ローマ人は、泥棒よけに、玄関にメドゥーサの絵をぶら下げたりしたそうです…..
“死の判決に導く 判事” を意味する :
* クレオパトラは余りにも有名。
* ラオコーン….. アエネーイス ( イタリア語でEneideと呼ばれる。ラテン語ではAeneis。日本語は、ラテン語から直接に引用していったのかな…. ) の叙事詩の中に、ラオコーンのエピソードが書かれてある。作者は、古代ローマ詩人ウェルギリウス(イタリア語でVirgilioヴィルジリオ )。….
トロイアの街を、ギリシャ人達が攻めようとしていますが、その時 彼らは、巨大な木馬を造りました。そしてミネルバの女神への捧げものとして、ミネルバ神殿に置いて欲しいと、ギリシャ人達がトロイアの人達に頼むのです。この神殿は、トロイアの街を取り囲む壁の中にありました。トロイアの司祭であるラオコーンは反対しますが、そうするとラオコーンが、Nettuno( 海の神様)の祭だんの所で礼拝をつかさどっていた時に、海から2匹の巨大な蛇が現れて、ラオコーンと2人の子供にからみつき、しめつけ始め殺してしまいました。これを見たトロイアの住人達は、木馬を入れないのはミネルバ神が怒ったからだと解釈をして、木馬をミネルバ神殿まで、運びました。この木馬の中にはギリシャ人達が潜んでいましたから、彼らは木馬から出てトロイア人達と戦い、勝利を得る事になっていくのです……. そして、ここから アイネイアスの話につながっていきます…..
” 肥沃” を意味する :
古代世界では、ヘビは、男性自身(=男根だんこん)を表し、大地の母(農業の女神)と結びつくというイメージを与えました。私はガイディングでは、男根のことを、男性の男性自身と言っています。ダンコンというと、一瞬何を言っているのかわからない、下手すると、ダイコンと聞いてしまう人もいるかもしれない….. ただでさえ要領良くわかってもらわないといけないのに、そうなると、話がますますややこしくなっていくわけです。男性自身なんて言ったって、わからない客がいるかもしれないって ? そういう人は、ほっといていいですから。
万が一質問されたら、うなずくように静かにほほえんで(鏡の前で、どの顔が一番人々に信頼を与える笑顔なのか、ガイドは研究しないといけない) そのまま話を続けていって下さい。うなずくという意味は、質問したお客様を、決しておろそかにしないよ、お客様の存在価値を認めるよ、でもアホらしいから、そんな事にいちいち答えてられないよ、という思いが込められているわけです。武士と武士が話し合う場面を小説で読むと、彼らは肝心なところでは、言葉を使わないみたい….. 目と目でもって、ジィーっと相手の目の中をのぞき込むようにして、ツっと目をそらす…… それでわかったんですって…. そういう文化も日本人には、あるのかなぁ~~だから、日本人って説明する、というのが下手なのかなぁ~~ ?
。。。まだヘビの意味は続きますが、次回にしましょう。。。
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