そぞろ歩き(豪華列車の誕生)続き 2021年7月29日木曜日

💠 Italia 中央部

🔺なだらかな丘々が広がる中、地中海にもたどり着く旅 :

Borghiが点在するヴァル・ドルチャから、地中海のマレンマ沿岸を走る..

コース….
Roma… Poggio Mirteto… Orvieto… Chiusi… Chianciano… Asciano… Siena… Grosseto… Talamone… Tarquinia… Roma (San Pietro駅)

Romaから、Lazio州ののどかな風景を楽しみながら走り、Orvietoでまずストップ。素晴らしいドゥオモ、聖パトゥリツィオの井戸 ( il Pozzo di San Patrizio ) を見て、また列車に乗りましょう。

Chiusi や、* Chianciano を経て、列車はAsciano線路に入っていきます。この路線は、AscianoとMonte Anticoを結び、1865年~1872年にかけて開発されたという古い鉄道路線です。”甘い生活” 列車用に、蒸気機関車も用意されているとか、いやこの路線が 始まった時はそうだったが、今回はどうだろうか…. とか、観光路線として再生してから、蒸気もひっぱりだされてくるんだとか、いろいろな情報が飛び交っています。

*Chianciano キャンチァーノ… ここは、中世時代のborgo でも有名ですが、もう一つ温泉もそうです。2000年前の話ですが、アウグストゥスローマ初代皇帝は胃が悪くどちらかというと、重症だったようです。主治医からあちこちの温泉に行け(例えば Napoliの フレグレイ平野 Campi Flegrei ) と言われ、いろいろと試してみたがダメ。そしてここの温泉にもやって来て、水泉につかった所、回復したというエピソードが伝わっています。
肝臓などにも効くんだそうです。

とりあえず世界遺産にも指定された ( Val d’Orcia, 2004 年) みごとな丘々、ぶどう畑、はてしなく広がっていく緑のじゅうたんが、まっすぐではなく、うねりながら広がっていくというだいごみを味わいながら、Sienaへ….Montalcinoワインは、嫌でも試飲しないといけないらしい….お城もポツンポツンと散らばっている、そうこうしているうちに、ティレニア海に出ていくのです !

Tarquinia の領域….. エトルリア人たちの故郷に入っていくわけです。そして、Romaへ….Termini駅ではなく、San Pietro駅に着いて、San Pietro大聖堂のクーポラを身近に見上げて、旅の終わりになります。

🔺 シベリア横断鉄道 (Italia での)と、石造りのborgo Matera :

Materaというと、町というには少し大きいし、街というイメージからは少し小さいし、borgo と呼ぶには、少し大きな感じがしますが…..

Roma…Tivoli…Avezzano…Sulmona…Rivisondoli…Castel di Sangro… Campobasso… Termoli… Foggia… Altamura… Matera… Napoli… Cassino… Roma

RomaからTivoli へ…..ここにはエステ家の別荘(Villa d’Este)などがありますが、多分止まらないだろうと思う。

Sulmonaから、あの有名なシベリア鉄道に引っ掛けて、(イタリアの)シベリア鉄道と名付けられた路線に入っていきます。Rivisondoli… Pescocostanzoと走っていきますが、標高( 標高と海抜の違いは ?…..違いを意識しないで書いています。興味のある方は、調べてみてください ) は1200m というすごさ !!

そしてMolise 州に入り、Termoli… 海には、木で作られた小さな足場みたいなものが点々とあり、要は 海の中で船に乗らないで、その足場みたいな所に座って魚釣をする…..を見ながら通過….

やがてGargano…. 半島とまでは呼ばないにしても、少し突き出している広地域に入っていきます。Puglia 州の中で一番美しいと言われている砂浜が広がる….実はこの州自体 ( Italia は、もちろんこの州以外もそうで、わざわざカリブ海に行かなくても、透き通った海があるという、その中で この砂浜は是非見ものなので、これは絶対行かなくては !!

Altamura( Bari 市から内陸部へ45km位にある市) は、美味しいパンで有名ですね。あの…..Alberobello と間違えないように..

…. Puglia州は、夏など、特にほこりっぽいように感じられる細い道(もちろん舗装されています)、というのは、周りに枯れた大地が広がっているからでしょうが、そういう平野や起伏のある中を走っていくと、まもなく小さなborgo が目の前に迫ってきます。そして町中を徒歩で散歩すると、こんな片田舎に ( 土地の人、ごめんね ! ) こんな文化の証(あかし)があるなんて、よくもまあ….!! と、しばしびっくりさせられます。教会建築など、一見の価値があります…….

やがてMatera 、石造りのborgo として、全世界に有名で、2019年には、ヨーロッパ文化首都としての役割も務めました….. こういうborgo と呼ばれている所では、タクシーに電話という発想は、あまり持たない方が無難かもね……

そこを、* 狭軌(きょうき)採用の電車がいまだに走っていて、乗って景色を楽しむ事が出来る。

  • 狭軌… 文字通り狭い軌道(電車のレールとレールの間が、現在世界で設けられている長さよりも少し狭い)の事で、1435mm(全世界で56%)が普通だが、狭軌の幅は900~950mm。日本は、1067mmが普通らしいが、新幹線や、一部のJR線、一部の私鉄線では、1435mmが採用されている。

帰りは、Napoli 、* Cassino経由で、Romaに到着。

Cassino… Monte Cassino の修道院があり、ベネディクトゥス派の修道院で有名だ。第二次世界大戦中、ある晩、ここの宝物が、ドイツ軍の手でトラックに積まれ、こっそりとRomaの聖天使城に運ばれ、ヴァティカン側に渡されたというエピソードを、何かの本で、読んだ事がある。ヴァティカンは、あの当時、積極的にファシズムに逆らわなかったが、こっそりと、たくさんのユダヤ人達を救ったという….. 修道院の中とか、Castel Gandolfo は、教皇の別荘で有名だが、その広大な庭園に、大多数のユダヤ人をかくまったという、独自の姿勢を取ったそうだ。