。。。2月は カーニバルのシーズンです。何で2月に カーニバルが多いの ? と考えていましたが、恥ずかしながら、経済的理由で、という結論に、私としては たどり着いていました。2月は寒いから人々は閉じこもる、外に出ない、だから カーニバルでもして、ワッと 景気をあげて、消費文化を盛り立てようとする、と 思っていたのですが、そうはどっこい、起源は やはり カトリック教やキリスト教、そしてそれ以前の、古代ローマ、古代ギリシャ時代に、と 繋がっていくようです。。。
。。。イタリア各地に、神出鬼没の道化人 (ナポリの Pulcinellaプルチネッラなど)……. は、”ゆっくり鉄道” の記事を書いている時に 浮かび上がってきた 素材なのですが、道化人、カーニバル、というように繋がってきたので、物事は始まりが肝心、まずは順番に、何がどうしてこうなった、というのを 見ていきたいと思いますので、又々付き合って下さい。。。
古代ギリシャ時代 :
紀元前530年頃に戻ります(古代ローマはその頃、7人の王様時代の末期 )。ディオニソス神 ( バッカス神 )は、元々植物の神様だったらしいが、まもなく 酒の神として、敬われていきます。彼へのいろいろな祭りがあった中、1年に1回、3月後半~4月前半にかけて、最大の祝賀/祭りがあり、古代ギリシャ劇場で、悲劇か喜劇を演じることも、その祭りのうちの一つでした。コンクールでしたから、最後に 順位が つけられたそうです。
実は、それ以前から 祭り自体は あったようですが、それに加えて 民族を一つにまとめる為にも、利用されていったようです ( ムッソリーニ ?! もそうでした )。皆がワーッと騒ぎ、雰囲気を高めさせ、そこで指導者が サッと 民族を自分の持っていきたい方向に、もっていく…..
ですから その時期は、全ての活動は中止になり、国をあげての総イベントとして扱われ、裁判も休止、囚人も一時 自由になったそうです。
春は エーゲ海の航行も楽なので、外国人も多く参加出来、コスモポリタン(国家や民族にとらわれず、世界は一つという考えの人々 )風な雰囲気も漂い、また 、アテネ文化は優れている、アテネの軍・政治力の強さの誇示、を見せつけるのにも、役立ったようです。
古代ローマ時代 :BR>紀元後1世紀末の ドミティアヌス ローマ皇帝時代から、12月17日~23日にかけて、ローマ神であるサトゥルノを敬う祭りがありました。この時期は、冬至に当たると共に、現在でもクリスマス、年末年始を祝うという…… 何かを祝うという風習が、受けつがれていったとも言えるでしょうか…… 人々はおめでとうを言い合い、シンボル的に小さな贈り物 ( ロウソク、クルミ、はちみつなど ) も交換したようです。この小さな贈り物は、strennaと呼ばれ、語源はStrenua女神….. 冬至の神様……. からきます。
Saturno 神は、一説によると、古代ギリシャのオリンポの山で、息子である天の神ゼウスとけんかをした後 追い出され、このLazio州にやって来て、ローマの Campidoglio カンピドーリィオの丘の上で、町造りを始めたそう…..
何の神様だったのか…..ナポリの考古学博物館に 鎌を持っている絵が残っているので (紀元後2世紀作 )、農業の神様だったのか ?一応 種まきの神様になっていますが……..
公式行事としては、サトゥルノ神殿で犠牲が捧げられた後、行列がくねくねと練り歩き、宴会、乾杯 ! と 祭りが 行われていったのですが、各家庭でも 親戚や友人を呼んで、同じく 宴会、乾杯 ! 普通 やってはいけないサイコロ遊び、賭け事も、許されました。
食事やワインも溢れ、その為か、らんちき騒ぎ、フリーセックスも あちこちで見られたようです。
サトゥルノ神殿の遺跡が、Foro Romanoに残っています。現在はバカでかい円柱が何本もそびえ立っているので、すぐにわかりますが (どうやって 立ち上げたのか…..)、あの前で、人々が密集して、踊っていたんだ….. ドミティアヌス皇帝時代には、あのバカでかい円柱は なく、神殿としては、もう少しこじんまりとしていたと言われ、その近くに立っているセヴェルス皇帝に捧げられた凱旋門も まだなかったので、人々が浮かれて騒げる空間があったのかな ?
元々ゼウス神以前 は、黄金時代と呼ばれ、その時代には法律も必要なく、憎しみも闘いもない、自然に穀類や植物は 生えてくるから、種まきをする必要もなく、常に春が続いていたので、家もいらない、必要とあれば洞窟の中に、一時入ればいい…. ゼウスが出てきて、黄金時代は終わり、シルバー時代が始まった、のだそうでず。
古代ギリシャの詩人 ヘシオドス(紀元前8世紀半ば~ 7世紀)が、人間の五つの時代を述べ、一番幸福な時代が、黄金時代だったといっています…..。。。となると、現在は、何と呼ばれるのだろうか ?! 。。。
黄金時代へのノスタルジーとして、サトゥルノ祭が生まれたのか…..
奴隷達にも 解放感が広がり、その家の主人がウエイターとなって奴隷に給仕をしたり、主人が宴会を奴隷の為に設けたりしました。考えてみると、サトゥルノの時代には、奴隷なんて居なかったわけですから。又、くじ引きで人を一人決め、当たった人に、わざとわかるような貴族の服を着せ、馬鹿げたお面をかぶらせ、赤色(神々の色であり、ローマ皇帝の色でもある)が特に目立つような派手な服を着せ、面白おかしい人物に仕立て上げて 祭りの権限を持たせ、”祭の王”と呼んだりもしたようです。
(続く)
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