。。。ゆっくり鉄道の一環として、”時なし路線” の誕生が、イタリア国鉄により 企画、実行されています。観光用路線ですから、いつでも走っているというわけでは なさそうです。普通に走ったら、利用客が少なくて、多分採算がとれないのでしょう。今の所、全部で11の路線 :イタリア北部に5線、中央部に3線、南部に3線と 散っていますが、それぞれローカル色豊かに、ある所は 蒸気機関車 !! が走り、地味ですが、旅の本質を満喫出来るようです。
今まで紹介した ”豪華列車の誕生” や ”ゆっくり鉄道”とダブル路線もありますので、なるべくダブらないように 、ご紹介しましょう。。。
Ferrovia Subappennica Italica ( 古色を帯びた・古色蒼然たるたたずまいを残したイタリアのアペニン山脈下を走る鉄道…) (何となくわかったようなわからないような….. )。
Marcheマルケ州 ( 州都は Ancona ) 内の、Fabriano と Pergola を結ぶ 31,6km の路線です。最初の計画は もっと壮大で、Marche 州と Emilia-Romagna 州(…Bologna) を結びたかったようですが、まあ 実現しなかった。元々は、戦争用にと 計画されました。
我々の走りたい Fabriano - Pergola 間は、1895年4月28日開通という、イタリア鉄道としては、もっとも早い時期に属します。そして、3年後に Pergolaから Urbinoへと、延びていきました。
第2次世界大戦で 損害を受け、1947年まで 不通、そしてその年から、我々路線だけが開通をし、Cesanoの谷の住人が、通勤電車として利用していくのですが、2013年に崖崩れが原因で 不通になり、代用バスが運行。2021年9月26日に観光用としての路線が復活しました。どの町にも ( 又は街にも)、中世から ルネサンスと、素晴らしい 建築、教会等が見られ、borgoと呼ばれるのに ふさわしい雰囲気を かもし出しているようです。
Ancona……9:35 発
Fabriano….11:05着 11:35発
Sassoferrato…停車
Bellisio – Solfare…停車
Pergola…13:18 着
Pergola…17:50発
同じようにして…
Ancona…20:40着
Anconaも見所一杯の街ですが、ここを紹介していると それだけで終わってしまうので、目をつぶって 電車に乗ろう !!
約1時間半で、Fabriano着。
Fabriano…..3万人位の街。特に 手工業の製紙が有名で、2013年、ユネスコの職人芸術/民芸伝統 部門に 、指定されました。Perugia や Assisi が広がっている場所と アペニン山脈をはさんで、反対側にあると言ったら わかりやすいでしょうか。Arezzo、Urbino、等と共に、好きな人には たまらない魅力がある地域でしょう。Firenze の Uffizi 美術館に行くと、Gentile da Fabriano が描いた ” Adorazione dei Magi (博士達の崇拝 ) ” の中に見られる 洋服模様の素晴らしさは、彼 Fabriano生まれなので、さもありなん、という所です。この街には、30分だけの停車なので、どこまで自由時間がとれるのか…..まあ、帰りも又30分止まりますが…..
Fabriano から、北に上がっていきます。
Sassoferratoサッソフェッラート…..海抜386m、住民 7000人位の 町です。まず思い出すのは、Sassoferratoという画家。1609年にここで生まれたので、名前も 町から頂戴したという…本名は Giovanni Battista Salviですが 、イタリアでは 、右を向いても 左を向いても、こういう名前の人が多いので ( あ、すみません その人達 )、Sassoferrato の方が 印象に残るかも。Romaに出ていき、画風は、ラファエロの影響大の マリア様を中心とした信心深い絵を描き、生存中から 多くの注文を得た画家でした。
それから Parco Archeologico di Sentinum ( Sentinum 考古学公園 )……Sassoferratoから、2km位、車で4分、徒歩で19分 ( と書いてあるが、2kmだったら、私の足で 30分位かかると思うのだけれど…..)、自転車で 7分、の場所に 広がっています。ポンペイみたいな 華々しい遺跡ではないので、Roma の Foro Romano が退屈な人は、行かない方が無難でしょう 。考古学好き、又はのんびりとした空間を楽しみたい人には いいでしょう。Marche州 においては、大変重要な遺跡です。古代の町にある主要道路 (il cardo e decumano)、大衆浴場、壁、床モザイク、何本かの花崗岩で造られた柱、住居の土台、排水管、アウグストゥス皇帝時代の4本柱が玄関口にある神殿、等の遺跡が、見られます。
Bellisio – Solfare…..Pergolaから 3,4kmほどの距離にあり、Pergola に含まれています。住民は 159人。2000年9月に 蒸気機関車が走っている写真を見つけました。
電気自転車で、28km、山々を 走り回れます。 一番高い地点で 803m、低い地点が 336m、走る時間を会わせると2時間位、 全部の工程を終わるのに、3時間半位かかるようです。途中、徒歩でないとダメな場所もある。勾配が急なのでしょうか…..かなりの運動が要求されますが、景色は ファンタスティック !!! ” “a bocca aperta ( 口が開きっぱなし )!!! ” の緑が 広がっています。自転車は嫌だという人には、マウンテンバイクをどうぞ 。イタリアで一番 !という位のコースが広がっているんですって !!!
Pergolaペルゴラ …..に、とうとうやって来ました。海抜265m、6000人位が住んでいます。歴史は古く、有史以前からだそう。
黄金のブロンズ彫刻博物館(il Museo dei bronzi dorati di Pergola) :1946年に発見され、全世界で有名になりました。作品自体は、 抜きん出て素晴らしい芸術作品というよりは、職人芸の良くできた作品という評価が、なされていますが、なんといっても貴重なのは、世界で唯一の、古代ローマ時代の、一群の黄金のブロンズ彫刻だという点です。トリュフ祭りも、毎年10月に開催され、世界的に有名です。価値ある白のトリュフを味わおうという、1996年に始まり、2013年に国からも 認められました。
2016年に開催されたトリュフ祭りを 覗いてみると…..10月2日、9日、16日と、毎週日曜日に 国をあげてのお祭りで、2kmに渡っての 展示や屋台( その中で ひときわ 目立つのが 貴重な白のトリュフ)が並び、コンサート、食通の晩餐会、舞台催し、等もあわせて行われ、トリュフをのせたピザ !! も、出回りました。ワインの試飲もあり…..トリュフの試食があるのかどうかは、知りません….イタリアらしい雰囲気で一杯の、味わう 秋が、まさに繰り広げられたようです。
トリュフがあるなら、当然それに続く 数々の料理も見逃せなく、ワインと共に料理を味わって、食通のメッカといえるでしょう。
イタリア国営TVの中の、Rai 3 (ライ トゥレ)が毎年行う *”il Borgo dei Borghi 2022″ に今年 20の Borghiが一位を争って立候補中ですが、その内の一つに このPergolaも、名乗りをあげました。今月3月13日18:40から、 TV視聴者は投票出来、締め切りは 4月3日23:59。発表は、4月17日のイースターの日。Pergolaが一位に選ばれたら いいですね !!!
*il Borgo dei Borghi(古い町 中の 古い町 ) …. borgo は、”町の一群” の意味がありますが、古さが漂っていないといけない。…中世時代の家々があるならば、瓦屋根にレンガ造りの一軒家が、肩を寄せ合うようにして並んでいて、家は 地上階か せいぜいその上の階がくっついている…… 瓦といい、レンガといい、そこら辺にあった 古代ローマ時代の家の遺跡から はぎ取った物を使った例が多い…ルネサンス時代の初期の建物ならば、なるほど2,3 階建て位の四角い建物がお目見えしてくるが、窓は未だ小さく、装飾も余りない シンプルな窓になっていて、少し 原始的な ゴツゴツした感じを与える。そういう町並みが広がっている こじんまりとした 町を、borgo と呼ぶのだろうと私は思っているのですが……. (続く)
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