そぞろ歩き(borgoでゆっくり)Montefalco 2022年10月7日金曜日

Umbria州の Perugia県にあるMontefalco(モンテファルコ) は、472mの高さにあり 住民5385人(2022年度)という、こじんまりとした borgo ですが、”Umbria の生け垣” とも呼ばれ、オリーヴやブドウの 木々が 横に並びながら 広がっていく様(さま)は、安らかで すがすがしい印象を 与えます。

falcoとは 鷹(タカ)、monteは 山、という意味がありますが、南イタリアを支配していた Federico II (フェデリコ 二世、フリードリヒ大王って、いうのかしら ? ) を、皆さん 覚えていますか ? 彼が 13世紀に この地へやって来た時、たくさんの鷹をみて、それまで この地は、Coccoroneと呼ばれていたのを、Montefalco に代えたそうです。

土地に伝わる、町の 名前の由来の伝説は もう少し 込み入ってきます。Coccorone の近くに、若いフェデリコ二世が宿営した際、彼が可愛がっていた数羽の鷹が 逃げてしまい、彼は 真っ青になったそう。鷹は、休んでいたのかどうか、Coccorone 村で 留まったので、村人達は 鷹を フェデリコ二世に持っていき、鷹と 村の安全の交換を願った所 聞き入れられ、村の名前も Montefalcoに代わったそうです。

とりあえず、それ以後、鷹の群れは 減少していき、近年になると、 ほんのわずかになってしまったので、これではいかん、と市役所が思ったのかどうか、2007年7月31日に、雄と雌の 一対の チョウゲンボウ( 鷹の一種) を放した所、段々と増えてきたのだそうです。

このborgoは、13世紀末に、近くの Todi の支配下に入り、14世紀末に ローマ教皇の下に 属するようになりました、ので 中世時代からの雰囲気で 満ち満ちています。

▪︎サンフランシスコの総合美術館….Complesso museale di San Francesco 。日本語のガイドブックには、”モンテファルコ市立美術館 ” で、載っています。

この建物は 1335年~ 38年にかけて建築された、 修道士の為の建物であり、 館全体が 博物館として使える要素が あるようです。徐々に 建物が 改築、付け加えられていきましたが、イタリア王国誕生と共に ( 1861年) 国の物となり、病院として 使用されました。。。修道院が病院として使われた例 って、他でも聞きましたよね。。。そして 19世紀末に、内部にある美術の素晴らしさに 皆がハッと気づいたのかどうか、修復が 始まります。

1990年、美術館として、完全に整えられました。地上階(0 階)が 教会、1階はピナコテカ ( 。。。pinaxは古代ギリシャ語で 絵画、テカは収集する。ディスコテカなどでお馴染み。。。 )、半地下は クリプタとして、教会の地下としての機能を果たしていましたが( 墓地とか小礼拝堂 )、1400年代~1600年代にかけて、ワイン製造/ 貯蔵 を、修道士達は ここで 行なっていました。その時に使用していた物も、残っています。

▪︎サンタゴスティーノ教会….La chiesa di Sant’Agostino 。

建築は 1279年~85年というゴシックスタイルという古さですが、1327年に、広く改築されました。内部の壁画は、14世紀~16世紀のフレスコ画でおおわれているという貴重さ !

ここで、”祝福された巡礼者” と呼ばれている 一人の 巡礼者が 、座っている姿で、 ミイラ化している 亡骸(なきがら)を 、私達は見る事が出来ます。聖人の亡骸が、横たわっているというのは、度々見かけますが、座っているとは……

伝説によると、この巡礼者は 、この教会に安置してある聖女Chiara の亡骸を拝むために スペインから やって来たそうです。夜だったので、この巡礼者は 一夜の宿を、この教会の司祭さんに頼み、承知してもらった。そして ベッドに横たわる前に、巡礼者は、もう一度 教会に戻ったそうです…..

翌日司祭さんは、この巡礼者が 懺悔室の壁にもたれたような姿勢でいるのを見つけ、眠っているのかと思ったらしいのですが、やがて 死んでいるのがわかり、巡礼者の身分証明書を 別に取り出して、すぐに埋葬しました。

次の日の朝、墓地の外に そのまま座ったままの巡礼者の亡骸が 見つかり、数日 同じことが 繰り返されました。最後に、司祭さんは 鐘楼の中に 安置する事を決心したそうで、亡骸はそのまま 鐘楼の中に 100年間置かれていましたが、腐ることもなかったので、奇跡 とされ、戸棚の中に 、亡くなった当時の服のまま 安置されたそうです。

ワイン :

と言えば、* Sagrantino ワイン。中世時代から この Montefalco 地帯で栽培され 製造された 世界でも * *タンニンの要素がとても濃いワインとして しられています。色は とても濃い紫がかっている。香りは 赤い果物の 香り、シナモン など。

Covid で、2年間 中止になっていた ワイン祭りが 今年 9月16日~18日にかけて 繰り広げられ、盛大に皆が 楽しんだようです。秋は、栗、オリーブ油 、トリュフ と、お祭りが続くそう。

* Sagrantino サグランティーノ….ウンブリア州のオリジナルの黒いブドウが使われ、このぶどうから、スティルワイン( 発泡性ではない ワイン)、そして パッシートワイン( ブドウを陰干しした甘口ワイン。水分が抜け、凝縮ぎょうしゅく感が 高まる) が、製造されます。

** タンニン….赤ワインの風味・色 ・熟成等に 関わってくる 重要な要素がある。

この州の、あるワイナリーの試飲会を、のぞいてみると ….

5種類のワインを試飲 、最低2人参加、参加費は 1人 25€ 、予約制、所要時間は 2時間。

ワインの種類( 全部ウンブリア州のブドウで 製造された ) ….

▪︎ある白ワイン ( * IGT 2020年に合格 )

▪︎あるロゼワイン ( IGT )

▪︎ある赤ワイン (** DOC 2012年 )

▪︎ある赤ワイン ( IGT s.a. )

▪︎Sagrantino di Montefalco (*** DOCG 2015)

その時の おつまみ…..

▪︎ そのワインに合うチーズ

▪︎ そのワインに合うサラミ

▪︎ブルスケッタ( トーストパン)に、ただのオリーブ油ではない、ここの土地の ビオ最高級オリーブ油が、かけてある 。

▪︎ブルスケッタに、辛い唐辛子とサラミを混ぜてあるのがのっている、など。

*IGT….2,3種類のワインが混ぜてあるテーブルワインに比べると、IGTは、そこに書かれてある地域で栽培されたブドウの、少なくとも85%が、使われているという保証を 与える。現在 118のIGT を持つワインがイタリアにある。

** DOC….どの地域のどのぶどうで 製造されたワインかが、保証されている。IGTの次に、このDOC となる。イタリアには、現在300以上のワインが、DOC を持っている。

***DOCG…78の DOCG があり、G= ギャランティ- がついているので、最高ランク。イタリアのスーパーで、どのワインを買うのか 迷う人は、 これを買うとバッチリ 間違いがない、という所かな 。