Umbria州の Perugia県にあるMontefalco(モンテファルコ) は、472mの高さにあり 住民5385人(2022年度)という、こじんまりとした borgo ですが、”Umbria の生け垣” とも呼ばれ、オリーヴやブドウの 木々が 横に並びながら 広がっていく様(さま)は、安らかで すがすがしい印象を 与えます。
falcoとは 鷹(タカ)、monteは 山、という意味がありますが、南イタリアを支配していた Federico II (フェデリコ 二世、フリードリヒ大王って、いうのかしら ? ) を、皆さん 覚えていますか ? 彼が 13世紀に この地へやって来た時、たくさんの鷹をみて、それまで この地は、Coccoroneと呼ばれていたのを、Montefalco に代えたそうです。
土地に伝わる、町の 名前の由来の伝説は もう少し 込み入ってきます。Coccorone の近くに、若いフェデリコ二世が宿営した際、彼が可愛がっていた数羽の鷹が 逃げてしまい、彼は 真っ青になったそう。鷹は、休んでいたのかどうか、Coccorone 村で 留まったので、村人達は 鷹を フェデリコ二世に持っていき、鷹と 村の安全の交換を願った所 聞き入れられ、村の名前も Montefalcoに代わったそうです。
とりあえず、それ以後、鷹の群れは 減少していき、近年になると、 ほんのわずかになってしまったので、これではいかん、と市役所が思ったのかどうか、2007年7月31日に、雄と雌の 一対の チョウゲンボウ( 鷹の一種) を放した所、段々と増えてきたのだそうです。
このborgoは、13世紀末に、近くの Todi の支配下に入り、14世紀末に ローマ教皇の下に 属するようになりました、ので 中世時代からの雰囲気で 満ち満ちています。
▪︎サンフランシスコの総合美術館….Complesso museale di San Francesco 。日本語のガイドブックには、”モンテファルコ市立美術館 ” で、載っています。
この建物は 1335年~ 38年にかけて建築された、 修道士の為の建物であり、 館全体が 博物館として使える要素が あるようです。徐々に 建物が 改築、付け加えられていきましたが、イタリア王国誕生と共に ( 1861年) 国の物となり、病院として 使用されました。。。修道院が病院として使われた例 って、他でも聞きましたよね。。。そして 19世紀末に、内部にある美術の素晴らしさに 皆がハッと気づいたのかどうか、修復が 始まります。
1990年、美術館として、完全に整えられました。地上階(0 階)が 教会、1階はピナコテカ ( 。。。pinaxは古代ギリシャ語で 絵画、テカは収集する。ディスコテカなどでお馴染み。。。 )、半地下は クリプタとして、教会の地下としての機能を果たしていましたが( 墓地とか小礼拝堂 )、1400年代~1600年代にかけて、ワイン製造/ 貯蔵 を、修道士達は ここで 行なっていました。その時に使用していた物も、残っています。
▪︎サンタゴスティーノ教会….La chiesa di Sant’Agostino 。
建築は 1279年~85年というゴシックスタイルという古さですが、1327年に、広く改築されました。内部の壁画は、14世紀~16世紀のフレスコ画でおおわれているという貴重さ !
ここで、”祝福された巡礼者” と呼ばれている 一人の 巡礼者が 、座っている姿で、 ミイラ化している 亡骸(なきがら)を 、私達は見る事が出来ます。聖人の亡骸が、横たわっているというのは、度々見かけますが、座っているとは……
伝説によると、この巡礼者は 、この教会に安置してある聖女Chiara の亡骸を拝むために スペインから やって来たそうです。夜だったので、この巡礼者は 一夜の宿を、この教会の司祭さんに頼み、承知してもらった。そして ベッドに横たわる前に、巡礼者は、もう一度 教会に戻ったそうです…..
翌日司祭さんは、この巡礼者が 懺悔室の壁にもたれたような姿勢でいるのを見つけ、眠っているのかと思ったらしいのですが、やがて 死んでいるのがわかり、巡礼者の身分証明書を 別に取り出して、すぐに埋葬しました。
次の日の朝、墓地の外に そのまま座ったままの巡礼者の亡骸が 見つかり、数日 同じことが 繰り返されました。最後に、司祭さんは 鐘楼の中に 安置する事を決心したそうで、亡骸はそのまま 鐘楼の中に 100年間置かれていましたが、腐ることもなかったので、奇跡 とされ、戸棚の中に 、亡くなった当時の服のまま 安置されたそうです。
ワイン :
と言えば、* Sagrantino ワイン。中世時代から この Montefalco 地帯で栽培され 製造された 世界でも * *タンニンの要素がとても濃いワインとして しられています。色は とても濃い紫がかっている。香りは 赤い果物の 香り、シナモン など。
Covid で、2年間 中止になっていた ワイン祭りが 今年 9月16日~18日にかけて 繰り広げられ、盛大に皆が 楽しんだようです。秋は、栗、オリーブ油 、トリュフ と、お祭りが続くそう。
* Sagrantino サグランティーノ….ウンブリア州のオリジナルの黒いブドウが使われ、このぶどうから、スティルワイン( 発泡性ではない ワイン)、そして パッシートワイン( ブドウを陰干しした甘口ワイン。水分が抜け、凝縮ぎょうしゅく感が 高まる) が、製造されます。
** タンニン….赤ワインの風味・色 ・熟成等に 関わってくる 重要な要素がある。
この州の、あるワイナリーの試飲会を、のぞいてみると ….
5種類のワインを試飲 、最低2人参加、参加費は 1人 25€ 、予約制、所要時間は 2時間。
ワインの種類( 全部ウンブリア州のブドウで 製造された ) ….
▪︎ある白ワイン ( * IGT 2020年に合格 )
▪︎あるロゼワイン ( IGT )
▪︎ある赤ワイン (** DOC 2012年 )
▪︎ある赤ワイン ( IGT s.a. )
▪︎Sagrantino di Montefalco (*** DOCG 2015)
その時の おつまみ…..
▪︎ そのワインに合うチーズ
▪︎ そのワインに合うサラミ
▪︎ブルスケッタ( トーストパン)に、ただのオリーブ油ではない、ここの土地の ビオ最高級オリーブ油が、かけてある 。
▪︎ブルスケッタに、辛い唐辛子とサラミを混ぜてあるのがのっている、など。
*IGT….2,3種類のワインが混ぜてあるテーブルワインに比べると、IGTは、そこに書かれてある地域で栽培されたブドウの、少なくとも85%が、使われているという保証を 与える。現在 118のIGT を持つワインがイタリアにある。
** DOC….どの地域のどのぶどうで 製造されたワインかが、保証されている。IGTの次に、このDOC となる。イタリアには、現在300以上のワインが、DOC を持っている。
***DOCG…78の DOCG があり、G= ギャランティ- がついているので、最高ランク。イタリアのスーパーで、どのワインを買うのか 迷う人は、 これを買うとバッチリ 間違いがない、という所かな 。
- 古代ローマ5番目の王 2023年2月17日金曜日
- おぼれたらワラをつかもう? 2023年2月14日火曜日
- 1月のCovid 2023年2月10日金曜日1月のCovid
- 言いたい話題 2023年2月7日火曜日言いたい話題
- そぞろ歩き(E.T.の生みの親 )終わり 2023年2月3日金曜日
- “慣れてきた…”2023年1月31日
- 環境変化の真っただ中 2023年1月27日金曜日
- 反応が歴史をつくる?2023年1月24日火曜日
- そぞろ歩き(E.T.の生みの親 )続き2023年1月20日
- 話題を求めて2023年1月17日火曜日
- 今度は我々も賢いハズ?!2023年1月13日金曜日
- Covidに大わらわ 2023年1月10日火曜日
- 人間はつらいよ(ああクリスマス! ) 2022年12月30日金曜日
- しがらみのない世界 2022年12月27日火曜日
- 政府方針( 移民)続きx2 2022年12月23日金曜日
- 目をつぶって試合を見るか 2022年12月20日火曜日
- そぞろ歩き( カターニア散歩)続き 2022年12月16日金曜日
- 冬のウクライナ 2022年12月13日火曜日
- 11月の話題 2022年12月9日金曜日
- 普通の生活をしたいだけ(イラン)2022年12月6日火曜日
- そぞろ歩き( E.T.の生みの親)2022 年12月2日金曜日
- 話題の広がり 2022年11月25日金曜日
- 政府方針(移民 ) 2022年11月22日火曜日
- そぞろ歩き(カターニア散歩) 2022年11月18日金曜日
- 病気の話題 2022年11月15日火曜日
- 政府方針( レイブパーティー) 2022年11月11日金曜日
- イタリア( → アフリカ) 2022年11月8日火曜日
- そぞろ歩き(古代ローマ4番目の王) 2022年11月4日金曜日
- さてCovidの動きは?2022年11月1日火曜日
- 話題を書く 2022年10月28日金曜日
- ロシア人はどうすればいい? 2022年10月25日火曜日
- そぞろ歩き(歴史になるまで待てない) 2022年9月21日金曜日
- 体制への抵抗(アフガニスタン) 2022年10月18日火曜日
- 禁じられた遊び 2022年10月14日金曜日
- 聞きたい話題 2022年10月11日火曜日
- そぞろ歩き(borgoでゆっくり)Montefalco 2022年10月7日金曜日
- 兵隊になる/イヤだ 2022年10月4日火曜日
- イタリアの総選挙2022年9月30日金曜日
- 新学期のイタリア2022年9月27日火曜日
- Postinoは2度やって来る2022年9月22日木曜日
- UEへのビザストップ 2022年9月17日土曜日
- そぞろ歩き(郷愁のエルバ島)続き2022年9月15日
- 憂うつな自然 2022年9月13日火曜日
- 話題も花盛り2022年9月10日土
- 肝心のCovidは 今?2022年9月8日木
- そぞろ歩き(古代ローマ3番目の王)2022年9月6火
- 現代版忍者2022年9月3日土曜日
- 冗談ではなくなってきたガス2022年9月1日木曜日
- 反プーチン派出現? 2022年8月30日火曜日
- そぞろ歩き(ローマの街角)モーツアルト 2022年8月27日土曜日
- つきない話題 2022年8月25日木曜日
- 病気は止まりそう?2022年8月20日土曜日
- 人間はつらいよ(ネコちゃんとの生活)2022年8月18日木曜日
- 原発危機をどう対処?2022年8月16日火曜日
- サル痘は静かに浸透?2022年8月13日土曜日